BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ Ver.1.5
■作詞:小室みつ子 ■作曲:小室哲哉 ■歌・編曲:IRON FOX(アイアン・フォックス)
オリジナルソング「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」TM NETWORK © 1987 by SUNRISE MUSIC INC.
■制作・文:IRON FOX
こんにちは、今回はガンダムソングをアレンジするコーナー「ガンダム ミュージック コレクション」の記念すべき第1弾でお届けした、TM NETWORKの名曲にして『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌、「BEYOND THE TIME」をもう一度、各パートの手直しやミックスダウンをやり直した修正版として「Ver.1.5」という形で制作しました。カミーユに言わせれば「そんな音源、修正してやるー!」(バシッ)…という感じです。
ボーカルパートやインストの各トラックの素材は、ほぼ当時のものを使用していますので、前回の音源より少しだけバージョンアップという意味と、ガンプラ「MG ガンダム Ver1.5」になったぐらいの変化…ということで「Ver.1.5」と名付けました。(記事下、ジャケット画像の「Ver.1.5」のロゴも「MG ガンダム Ver1.5」のものです。)
今、聴くと前回の音源はミックスダウンがヘナチョコすぎて、特にヘッドホンで聴くと全体的な音の輪郭もあまりなく、いろんな音の周波数がぶつかり合い、低音も出すぎているので耳への圧迫感が、そりゃもうスゴイの何のって…悪い意味ですけど💧
前に比べたら、だいぶ低音スッキリ、輪郭ハッキリした感じになったんじゃないかと思いますので、一度聴いてみてはいただけませんか☆
■Youtube
【ガンダム カバーソング】「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ Ver.1.5」IRON FOX
→https://youtu.be/iud67gVXbI4(こちらから曲が聴けます。)
●関連記事(第1弾の記事になります。)
【ガンダムカバーソング】GMC-1「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」
■Youtube(第1弾の曲になります。)
【ガンダム カバーソング】「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~ 」IRON FOX
→https://youtu.be/VkORQ4i20BE(こちらから曲が聴けます。)
■使用機材(インストパート)
今回も、もはやビンテージ級の機材で制作しました…。(データの保存は、何と!?フロッピーディスクです💧)
・KORG 01/W FD
・KORG KARMA
・KORG TRINITY V3 pro
・ROLAND JV-1080+EXPANSION BOARD
(SR-JV80-04 VINTAGE SYNTH・SR-JV80-06 DANCE・SR-JV80-11 TECHNO COLLECTION)
■使用機材(ボーカルパート)
・KORG SOUND on SOUND(ボーカル録音)
■DAWソフト
・Cakewalk by BandLab(ミックスダウン)
■その他の使用ソフト
・Sound Engine(曲前後の不要な部分をカット)
・iZotope RX8 Elements(ボーカル音源ノイズ除去)
・Vocal Shifter LE(ピッチ補正/ケロケロボイス※編集)
※ピッチ補正ソフトを使って音程の補正を極端に強くかけると、音程の変化の仕方が不自然(ケロっと鳴ったような感じ)になり、全体的にロボットのような雰囲気にした歌声。
変更箇所
シンセサイザー打ち込み
・1コーラス、サビ直後とラストサビ、バックで弾いているシンセリードのフレーズを修正。(前回はTM NETWORK「CAROL」のスコア(年代物💧)の通りに弾いていましたが、実際によく聴いてみるとフレーズが違っている箇所が多かったので、耳コピして弾き直し修正しました。)
・ドラムパートのスネア、タムの音量アップ。
・ライドシンバル、パーカッション(シェイカー・タンバリン)の一部の箇所、削除と追加。
ボーカル編集
・前回の「BEYOND THE TIME」制作時の「VocalShifter」でピッチやボリュームの編集済みのボーカル音源を使用して「iZotope RX8」でのノイズ除去をやり直し。
①Repair Assistant/AIアシスタント
画面右上 Repair Assistant から Music ※1→ Start analysis → Medium ※2→ Render の順にクリック。
※1:選択肢が3つありますが「Dialogue」は会話やナレーション、「Music」は楽曲や歌、「Other」はその他になります。
※2:▶で再生し、かかり具合をチェックして、Light・Medium・Heavyの中から選んでください。
➁Voice De-noise/環境音ノイズ除去(下画像)
Voice De-noiseをクリック。→画面の真ん中上部の枠内をクリックし、プリセットの中から「Lead Vocal Noise Suppressor」を選択。→「Adaptive mode(適用モード)」に✓(チェック)が入っているか確認。→「Preview」を押し、実際に聞きながら右側スライダーの「Reduction(減少量)」で調整。
画面右上の「Filter Type」は、「Surgical mode(精密モード)」と「Gentle mode(緩やかな処理モード)」がありますが、「Surgical mode」は多くのノイズを除去しますが音質を損なう場合があり、逆に「Gentle mode」は透明感のある処理をしますがノイズが残留する場合があります。
格闘ゲームでよくある「遅いけど強いパンチ、早いけど弱いパンチ」…みたいな感じですね☆
・独自の使い方をしている部分もあると思うので、このやり方が必ず正しいというわけではありません…。ご了承ください💧
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画像
私の場合は「Surgical mode」だと、けっこう歌声にまで影響が及ぶので、感覚的に効きが弱い「Gentle mode」にしています。
プリセットの中から「Lead Vocal Noise Suppressor」を選択すると、「Threshold(しきい値)」と「Reduction(減少量)」が自動的におすすめの位置になりますので「Threshold」はそのままで、ボーカル音源をヘッドホンで聞きながら「Reduction」を最大の20dBから少しずつ下げていき、歌声に影響がない位置に調整することが多いです。
・2コーラスサビ前とラストサビ前の「♪Beyond the Time」のフレーズをケロケロボイスに再度修正。(下画像)「VocalShifter LE」を使いピッチ(音程)の揺れをなくす。
①「VocalShifter LE」を立ち上げ、開いた画面に編集したいボーカル音源を直接ドラッグ。
➁「解析方式、解析音域」の小さな画面が出たら、そのまま「OK」をクリック。
③「V:単音ボーカル用(黄緑色の文字)」をクリック。
④取り込まれたボーカル音源の波形をダブルクリック。
⑤別画面で波形が開いたら編集したい部分を選択。※左側の項目は黄色い文字のPIT(ピッチ)にチェックが入っていることを確認。
⑥右クリックをすると項目が開くので下部にある「ケロケロボイス」をクリック。
⑦曲のスケール(音階)と強さ(1~10)を入力。
「BEYOND THE TIME Ver.1.5」のこの箇所では、スケール→A/F#m、強さ→1にしました。強さは1でも効果がわかります。(強さは数値を上げるほど、より機械っぽい声になります。)
⑧保存。(ファイル→アイテムをWaveファイルに出力→ファイル名を入力後、保存→OK)
※VocalShifter LE(無料版)では、WAVEファイルの音質のビット数が16bit 、サンプリング周波数は48Hzまでという制限があり、VSTアプリケーションとの連携もありません。
ミックスダウン
・各トラックの音色(インスト)、歌(ボーカル、ハモリパート)のメインの周波数帯域、以外をハイパス・ローパスフィルターでカットし、EQでさらに調整。(同じ帯域の周波数がぶつかり合わないようにするため。)
※聴かせたいパートの音は、ついつい音量を上げがちですが、近い周波数帯域の別パートを下げることによって音が聞こえるようにもなります。
・特に歌は大胆にカット。ボーカル、ハモリパート用のバストラックのローパスフィルターの値を7000kHz、ハイパスフィルターを200kHzに設定。(ベース・ドラムパート以外はハイパスフィルターを200kHzに設定し、は24。)
・各トラックのパンニングを振り直し。(周波数帯域が近いパートが同じ位置にならないようにし、全体的に“大きく振る”。)
・各トラックの音量、再調整。
最後に…
前回の「BEYOND THE TIME」の出来があまりにもガッカリすぎて、ずっと気になっていたのでミックスダウンのスキルが上がったらリベンジだぁーっ!…と今回の制作に至りましたが、スキルに関しては今でも決して満足がいくレベルに達しておらず時期としては少々早かった気もします…。
今回の出来がまた気になってしょうがなくなったら「MG ガンダム」のように「Ver.2.0」…さらには「Ver.3.0」の制作を…って、そのうち夢に出てきそうですね…。(昔、ゲームの「テトリス」にハマっていた時は、夢の中で超巨大なテトリスのブロックに押しつぶされそうになりました…💧)
…というわけで、“曲の出来にガッカリ”ということは多少なりとも腕前が上達したんだ…と自分自身を勇気づけ、よりいっそうミックスダウンの技術向上に励み、日々精進して参りたいと思う所存でございます。(修正版より新曲作れーって感じですが…。)で…ではまたー💧
■ジャケット画像
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