【ガンダムカバーソング】GMC-3「FLY!GUNDAM 翔べ!・ガンダム(EZ DO DANCE VERSION)」(『機動戦士ガンダム』主題歌)

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FLY!GUNDAM 翔べ!・ガンダム(EZ DO DANCE VERSION)

■作詞:井荻麟 ■作曲:渡辺岳夫 ■歌・ラップ・編曲:IRON FOX(アイアン・フォックス)
オリジナルソング「翔べ!ガンダム」池田鴻 © 1979 by SUNRISE MUSIC INC.

■制作・文:IRON FOX

 こんばんは。今年も残すところ、あと数時間となりましたが何とか間に合いました…。今回は、今年2023年に結成35周年を迎えた「TRF(trf)」を記念した「ガンダム」とのコラボ作品「FLY!GUNDAM(翔べ!ガンダム)」(アニメ『機動戦士ガンダム』主題歌)を制作しました。今年が終わってしまう前に何としても完成させないと36年目に入ってしまい、記念の意味がなくなってしまうのでヒヤヒヤしながら制作していました…。(普通は、今年が始まったタイミングで発表するものなんでしょうけど…💧)※追記(2024年1月1日):動画の音量が小さかったので再アップロードしました…。

 今回は「trf」の楽曲「EZ DO DANCE」の曲調に「翔べ!ガンダム」の歌と特徴的なフレーズを乗せるという、2つの曲をミックスした作品となります。「ガンダム」と様々なキャラクターとのコラボ作品をガンプラを使って改造、制作する当ブログの別コーナー「ガンダム スクラッチ ビルディング【GSB】」のように、2つの作品の特徴を合わせ、新たな作品を生み出す…という感じです。

 曲の出来に関しては、ちょうど足して2で割ったぐらいに仕上がったと思いますので、両方の雰囲気を感じながら楽しんで聴いてみてください。それでは…「EZ DO ガンダーム!」

Youtube

【ガンダム カバーソング】「FLY!GUNDAM 翔べ!・ガンダム(EZ DO DANCE VERSION)」IRON FOX ※音量アップ版 再アップロード

https://youtu.be/O_OPgNzaWZg

 

■使用機材(インストパート)

・KORG 01/W FD
・KORG KARMA
・KORG TRINITY V3 pro
・ROLAND JV-1080+EXPANSION BOARD(SR-JV80-04 VINTAGE SYNTH・SR-JV80-06 DANCE・SR-JV80-11 TECHNO COLLECTION)

■使用機材(ボーカルパート)

・KORG SOUND on SOUND(ボーカル・ラップ録音)

■DAWソフト

・Cakewalk by BandLab(ミックスダウン)

■その他の使用ソフト

・Sound Engine(曲前後の不要な部分をカット・フェードアウト)
・iZotope RX8 Elements(ノイズ除去)
・Vocal Shifter LE(ボーカルピッチ補正・女性ボーカル用に変換)

各パート説明

インストパート

 基本的に「EZ DO DANCE」の楽曲をベースにしていますので、BPMはオリジナルと同じ140に設定し、「EZ DO DANCE」で使われている音色に近い音色を選び、音の左右の位置(PAN)を同じにしたりと気をつけました。その上に「翔べ!ガンダム」の印象的なブラスとストリングスのフレーズ、さらにはエレキタム(ポロンポローン)の音や昭和ロボットアニメの主題歌でよく使われていたティンパニー(ダンドコドン)の音を重ねました。PUFFYのイントロでも大胆に使用されていますね。

 コード進行も「EZ DO DANCE」の進行に近づけたので「翔べ!ガンダム」とは、かなり違っています。「翔べ!ガンダム」オリジナルのブラスとストリングスのフレーズは、そのまま使いたかったので多少、コードを強引に変更した部分もあります…。(♪正義の怒「りを~」特にこの部分…。[コード GM7])

 始めは16分のスクエアな曲として制作していましたが、ミックスダウンの途中で「EZ DO DANCE」をいま一度聴いたところ、全体的にわずかにリズムがシャッフルして跳ねているように聞こえたので急遽、シンセサイザーに打ち込んだパート、全てトラックごとに16分の3連符でクォンタイズを25%ほどかけました。今聴くと、もう少し多い割合でかけても良かった気もしますが、ちょっぴりノリ(グルーヴ感)は変わった…はずです💧(この件のせいもあって、アップが今年ギリギリになってしまいました…。)

 ちなみに今回コラボした2曲のキー(スケール)ですが、「翔べ!ガンダム」がC/Am、「EZ DO DANCE」(Aメロ、Bメロ)がAmという奇跡的に同主調だったということで、どちらの曲もオリジナルのイメージを壊さずにミックスすることが出来ました。

ラップパート

 「EZ DO DANCE」のラップパートと同じ詞になります。ただし最初のラップパートの「trf」と「EZ DO DANCE」の詞は、本当はそれぞれ「IRON FOX」、「FLY!GUNDAM」と入れたいところなんですが、大人の事情がいろいろとありますので放送禁止用語の時の“ピー”という音を入れてあります。残念…。

 あとは録音時に、近年では芸人稼業にも半分足を突っ込んでいる?DJ KOOさんに…“なりきってー、張り切ってー、やり切ってー”います…と韻を踏んでみましたが、DJは韻を踏まなくてもいいのか…💧

ボーカルパート

 メインボーカルは、原曲を2、3回通して聴き、メロディーの確認をした後、歌っている方の声のイメージを忘れないうちに頑張ってモノマネして録音しました。声自体の加工はしていません。どうでしょう?雰囲気は出てるのではないでしょうか💧

 ところどころに入っている女性ボーカルは、メインボーカルとして録音した歌を「Vocal Shifter LE」のソフトを使用して変換しました。ざっくりですが一応、説明も書いておきます。

「Vocal Shifter LE」を使った女性ボーカルの作り方

[準備]「Vocal Shifter LE」を起動→編集したいwaveファイルをドロップ→解析方式・解析音域の画面でOKを押す→「V:単音ボーカル用」を選択→解析が終わったファイルをダブルクリック
・フリー版の「LE」では、16Bitを超えるwaveファイルの入出力はできません。

①まずは開いた画面の右上のボタンで画面を全画面にし、画面左隅の縦に表示されている音階名を全て表示させるため、画面左上にある+と-の「+」を縦の比率、横の比率両方とも3回ずつ押し、表示画面を拡大させる。

➁画面左の「PIT(ピッチ)」にチェック()が入っているのを確認したら波形が表示されている画面のどこでもいいので右クリックし、[すべて選択]をクリック。

③画面中央上の時間表示のすぐ左にある点線の四角(鉛筆マーク左)をクリックし、波形を表した黄色い線をクリックしたらそのままドラッグして1オクターブ上まで移動させる。
(もしくは[すべて選択]後、もう一度右クリックを押し、[度数指定ピッチシフト]スケール C/Am・ピッチシフト量 度と入力して1オクターブ上げてもオッケーです。)

④画面左の「FRM(フォルマント)」にチェック()を入れ、ピンク色の線をクリックしたら、そのまま上にメモリ5つ分ほどドラッグする。(クリック出来ない場合は、時間表示のすぐ左にある点線の四角がクリックされているか確認する。)

⑤画面左上の「ファイル」から「アイテムをwaveファイルに出力」→ファイル名の入力と保存場所を決定し、「OK」をクリックして保存完了。

※1オクターブ、上に上げると音声が崩れる箇所も出てくるので、出来れば変換する前の歌を録音する段階で、ある程度、自分の声が出る範囲で歌のキーを上げて録音しておくと変換時に上げ幅が減り、うまく再現できます。

 「♪君よ~走れ~」部分のバックに入っている女性コーラス(「♪Uh~Ha~」)は、歌の声ではなくシンセサイザーの音色になります。

サンプリングパート

 「EZ DO DANCE」の原曲の中でも数多くのサンプル音が使われていましたが、こちらは『ガンダム』…ということで、曲のスタートから3・2・1の後はアムロの発進時のセリフ「行きまーす!」や、モビルスーツ「ガンダム」が起動して立ち上がる時の効果音、2回目のラップの終わり際にはニュータイプの閃いた効果音(はじけるプリズムから連想して入れました。)が入っています。

 それに加え「EZ DO DANCE」側は、上の説明にもある「3・2・1…」、4拍目に鳴る「フッ」という声、90年代のテクノハウスの定番S.E「ホゥ!」も、もちろん入れました。(元ネタは、昔々に購入したCDに入っています。)

 おっと!?1つ忘れていました。「EZ DO DANCE」では要所要所の区切りの部分にDJ KOOさん(たしか、そうだったような…💧)の笑い声が入っていますが、その部分は赤いタイツの変態仮面…いや、赤い彗星の変態仮面…いやいや、赤い彗星のシャア大佐の笑い声に変更しました。

ミックスダウン

 毎回手こずるミックスダウンの作業ですが、今回もまず各パートごとにコンプレッサーやEQのパラメーターはプリセットのものから選び、調整していきました。出力はボーカルパートとインストパートのバストラックを作り、インストパート全体のEQでボーカルパートの周波数帯域を下げてボーカルが入る隙間を空けています。

 個人的な意見になりますが、録音したボーカル音源の音量のバラつきを整えるために、小さい音は大きく、大きい音は小さくしますが、イ行やウ行(発声時に息が多く出ない行)は、波形で見ると音量が小さく見えますが、イ行やウ行以外の部分と同じように音量を上げてしまうとかなり目立って大きくなってしまいますのでイ行やウ行は、それほど音量(ゲイン)は上げなくても大丈夫だと思います。やはり最終的には自分の耳で聞いて不自然にならないように注意してみてください。

 そして今回初めて使用したプラグインソフトが、iZOTOPEの「Ozone Imager(V2)」です。こちらのソフトは簡単操作でステレオ感の広がりを調整できる優れものとなります。「でもお高いんでしょ?」…いえいえ、こんな簡単な操作で大きな効果を得られる優秀なソフトなんですが…「無料なんです☆」

 …ということで、本来はマスタリングツール「Ozone9」に組み込まれていた機能なんですが、その機能だけを取り出し、少し制限がかけられていますがフリーソフトとして提供されたのが、この「Ozone Imager」となります。それぞれ各パートの出力の位置を広げて変えるだけでも同じ帯域の周波数のぶつかりを軽減させたり出来ますし、音の広がり方を視覚的に表示もされますのでアナライザーとしても利用出来ます。DAWソフトのプラグインとして、ぜひご検討してみてください。オススメです☆(使用する際は画面右上辺りの「Stereoize」左の〇(ON・OFFボタン)をクリックしてON(水色)にしてください。)

■iZOTOPE「Ozone Imager V2」(無料)ダウンロードページ
https://www.izotope.jp/jp/products/ozone-imager-v2/#

 さらにいつも少し頭を悩ませるディレイタイムですが、ネットで調べていたところ面白い情報を見つけました。それがBPM(テンポ)に関係なくディレイタイムを「189ms」、フィードバック「26%」にするとキレイに聴こえるという情報。

 レコーディングエンジニアの方が経験則に基づいて導き出した数値のようなんですが、いつもはテンポディレイを使用している私も半信半疑で設定してみたところ、確かにしっくりくる感じがしました…不思議です。お困りの方、ぜひ一度試してみてください。※かけ具合(MIX)は曲や好みで調整してください。うっすら聞こえるくらいでイイと思います。(10~20%ほどかな?)

最後に…

 今回は90年代の「EZ DO DANCE」の楽曲をベースにアレンジしたので、私のビンテージものの機材も本領発揮という作品となりました。…と言っても使用している音色は、ほとんど「JV-1080」にマウントしてある「DANCE」のエキスパンジョンボードのものなんですけど…💧

 次の作品は、劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の主題歌「FREEDOM」のカバー曲を予定していますが、今の時点では、まだ映画のPVでサビの部分しか公開されていないので手つかずの状態です…。TVシリーズの主題歌を担当されてきた浅倉大介氏の提供曲は、ないんでしょうかね?(映画のラストに「INVOKE -インヴォーク- 2024」とか流れそう…。)

 それでは、20年以上も前の古い機材たちにも、まだまだ火を噴かないように頑張ってもらって曲を作り続けていきたいと思います。ではまた…よいお年を☆

「FLY!GUNDAM 翔べ!・ ガンダム(EZ DO DANCE VERSION)」ジャケット画像

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